泉さんといえば、

いつかのメルマガで、NHKを批判されていた。「週間子どもニュース」という番組で、税金を納めるという行為を揶揄した放送があり、これに憤りを感じた泉さんは、なんとNHKに抗議のFAXを送ったそうなのだ。(平成17年4月21日配信分。詳しくはまぐまぐからバックナンバーをご確認ください)
私もやってしまった。NHKに抗議メールを送ったのだ。泉さんのこのメルマガを読んでいなかったら、抗議しようなどという発想自体なかったと思う。しかし、私は読んでしまっていた。だから、私の中に芽生えていた良識ある市民としての自覚が、私を行動させた。以下に、私が送った抗議文、及びNHKからの回答文を転載する。
■私が送った抗議文
(なぜか、問い合わせは400字以内(短すぎ)という制限があったため、次の文をかなり要約して実際は送ったのだが、経緯が分かりやすいようにと、ここでは、最初に作った原稿全文を載せたい)
NHK様
もう一ヶ月程前のニュースについて、どうしても気になるのでメールいたします。そのニュースは、以下のように報道されていました。「建築工事の鉄筋のかぶり厚さを非破壊で検知できる機器が完成した。この機械を用いることで、建設会社の手抜き工事を簡易に調査することができるようになった」(5月末〜6月初頃の正午のニュース)
私がどうしても気になるというのは、なぜ「手抜き工事」という言葉が選定され、使用されたかです。言葉の定義を確認します。「手抜き工事」とは、「建設会社が利益追求目的で、意図的に品質を低下させる(安い材料を使う、必要な工程を省くなどの)行為」という意味で一般に用いられている、またはイメージされている言葉だと思います。つまり、何らかのメリットがあるから、建設会社が、意図的に、主体的に、行うのが「手抜き工事」といえるのだと思います。少なくとも、そうイメージされていると思います。
今回報道された「鉄筋のかぶり厚さを非破壊で検知できる機械」は、鉄筋のかぶり厚さが調査できるそうです。では、このかぶり厚さを小さくすることによって、建設会社に何かメリットがあるでしょうか。ちょっと調べていただければ分かりますが、かぶり厚さを小さくすることは、建設会社に何のメリットももたらしません。反対に、「かぶり厚さ」不足が発覚した際の是正工事に多大なコストを要するため、ほとんどの建設業者は、かぶり厚さを確保するため、必要な措置を講じ、対処しているはずです。それでも、施工の困難さ・確認の困難さからどうしても発生してしまうもの、それが「鉄筋のかぶり厚さ不足」なのです。
今回の報道では「手抜き工事」ではなく、「不具合工事」という言葉を使用していただきたかった。安易に「手抜き工事」という言葉を使用して欲しくなかった。世間への影響、建設業界関係者の心情に対する配慮を、著しく欠いた報道でした。そこで、以下、ご回答ください。
1、「不具合工事」でなく「手抜き工事」という言葉を選定した理由
2、「手抜き工事」という言葉を使う上で、世間への影響や建設業界関係者の心情に対して配慮したか
よろしくお願いします。
■そして、以下がNHKからの回答文
前略
いつもNHKをご覧いただき有難うございます。先日の「電磁波でコンクリートの厚さチェック」のニュースに関する問い合わせについて回答させていただきます。
このニュースは、「コンクリート製の構造物で、表面から内部の鉄筋までの厚さが十分でないため鉄筋が錆びて強度が不足する不具合が起きていることから国土交通省がコンクリートの厚さを電磁波でチェックする取り組みを始めることになり、将来的には手抜き工事にの防止に応用できるとしている」という内容のものです。
danran様のご指摘のとおり、かぶり厚さを小さくすることは建設会社にメリットはなく、結果的に生じる「不具合」と認識しています。ですからニュースの中では、かぶり厚さが小さい事例については、「結果として厚さが不足する不具合」と表現しており、「手抜き工事」という表現は使っていません。
ただ、国土交通省によりますと、「電磁波でチェックする取り組みは将来的にはマンションなどの手抜き工事に応用できる」とのことなので、これに基づいて「手抜き工事」の表現を使いました。
では、何が手抜き工事かと言いますと、国土交通省は「費用を安くするための意図的、悪質な欠陥工事」について「手抜き工事」という言葉を使っており、私どもも同様の認識です。
いずれにしましても、技術的にどうしても起きてしまう不具合を「手抜き工事」とするのは不適切と考えており、今後とも、適切な工事をしている業者への誤解を招かないよう配慮しようと思っておりますのでご理解をお願いいたします。
引き続きNHKを宜しくお願いします。
草々
 
NHKがいいたいのは、これは国土交通省が言っていたことなんだ、NHKがそう思っているわけじゃないんだ、ということなのだと思う。私は、メディア、報道のあり方について、深く考えたことはないのだが、このNHKの回答はいただけないと思う。恥ずかしくないのか、とさえ思う。
さて、遅くなってしまった。もう2時前だ。私は毎日5時半起きなのだ。巷に氾濫する睡眠時間が3時間で十分なんてのたまう本を、私は信用していない。今日はこの辺で。