ピロリ菌の思い出

会社で毎年、定期的に健康診断を受けている。30歳を超えているので、当然バリウムも飲む。3年程前から、ほぼすべての診察結果がA(めちゃ健康)になった。
それまでは、毎年D(要治療)あるいはE(要観察)だった。なぜなら26歳のころからずっと十二指腸潰瘍だったから。
社会人2年目に十二指腸潰瘍になったように記憶する。仕事のストレスと、当時はまったスコッチウィスキーのダブルパンチに、十二指腸がもたなかったのであろう。
空腹が痛いという感覚を散々味わった。病院に行くと、「とりあえず調べましょう」なんていって、内視鏡を飲まされる。で、潰瘍ですねと分かりきった結果を報告してくれる。出してくれる薬は決まってガスター10かオメポラール(だったかな?)。飲めば一応、そのときの痛みは納まる。でも飲み続けても飲み続けても、空腹になると痛みが襲ってくる。そのうち飲むのがばかばかしくなってやめると、またひどい苦痛に悩まされるようになる。耐えられなくなって病院へ行くと、先生が言う。「とりあえず調べましょう」・・・・・
この繰り返し。終わらないループ・・・
結局、33歳になって、十二指腸潰瘍が原因で入院したとき、医者の先生から、ヘリコバクターピロリ菌を殺す薬を飲むことを勧められ、こちらももともとそれを希望していたので飲み始めることなり、半年くらい飲み続けた結果、私の胃の中のピロリ菌は死滅し、十二指腸潰瘍も根治した。
あれから約3年半。空腹時の痛みというのを味わっていない。本当にありがたい。一時は一生直らないんじゃないかと思ったくらいだから。
しかし、残念なのは、なぜもっと早く、ピロリ菌を殺す薬を処方してくれなかったのかということ。入院する前に、医者にかかったとき、何度か、ピロリ菌を殺す薬というものを飲んでみたいと希望したにも関わらず、出してくれなかった。厚生省の認可もおりていたはず。それだけがどうしても心に引っかかっており、患者を薬漬けにするという医者のイメージが、私の中から消えない。