NHK「日本の、これから」を見て

私は、中国、韓国が嫌いである。
靖国竹島尖閣諸島・歴史教科書、等々腹立つ点はたくさんあるが、
要するに、彼らは何かあると、
日本は謝罪が十分でない、
と言い出してくるところが嫌いだ。
すぐに、われわれ国民感情が傷つけられた、といった
感情論を持ち出す。
謝罪が十分ではないというなら、どうしろというのか、
何か、中国さん、韓国さんの気に入らない
ことがあったら、すいません、お気にさわりましたか、
じゃあこうしますから堪忍してください、
こんなふうに未来永劫、頭を下げ続けていかなければならないのか?
ナンセンスだ。話にならない。
感情的に、そう思っていた。
 
さて、昨日、8月15日、敗戦の日
NHKの特別番組「日本の、これから」を見た。
テーマは、
「じっくり話そう アジアの中の日本」。
戦争問題(もちろん大東亜戦争のこと)についての
討論番組だ。
終戦から60年経った今、アジア各国は、あの戦争をどう捉えているのか。
そして日本のことを、どう考えているのか。
中国・韓国・インドネシアでNHKが取材を行った、
そのVTRをみながら、
日本の、これから
というテーマについて、討論する。
そういった番組である。(生番組)
なお、討論に参加していたのは、
アジア出身の(おそらく日本在住の)各国の方々が20名程度、
一般の日本人が20名程度、
そして、
町村信孝外相
櫻井よしこ
寺島実郎氏(日本総合研究所理事長)
栗山氏(元駐米大使)
らであった。
この番組を見て、大きく二つの感想を抱いた。
以下、書いていきたい。
 
感想の前に、
町村外相はすばらしい。
誇りある外交を、みたいなことを言っているのは知っていたが
いや、すばらしい。
ずっと外相やってほしい、
いつか総理もお願いしたい、と思った。
 
ひとつは、
中国も韓国もそして日本でさえも、
国民は、国による情報統制下にあり、
それに国民が踊らされているんだなー、ということ。
中国人・韓国人については、
なんと言おうと、やはり彼らは、国やメディアがあおる
反日感情に敏感に反応しすぎ、と思う。
中韓政府は、「日本の戦争責任」というカードや、
反日感情」というカードをお気軽に使いすぎ。
外交上優位にたったり、内政上の別問題から目を放させるために
よく使う。
その情報を受け取った中国人・韓国人は、政府の思った通りの反応をする。
こりゃ便利だ、ということで、政府はまた使う。
国民はまた同じ反応をする。
どんどん反日感情も強くなっていく。
そういった状況が、彼らには見えていない。
 
では、日本人はどうか?
日本では情報無き情報統制下にある、と思う。
まるで北朝鮮のように。
よっぽど勉強熱心か興味のある人でないと、大東亜戦争のことや、
中国・韓国との諸問題について知ることは無い。
まるで国民に知られると困るかのようだ。
で、無知だから、中国人・韓国人が何を怒っているのか
良く分からない。
最初のうちは、
「あー、怒らせてごめんねー」
みたいに聞いているのだが、そのうち、
「なんかしつこいな、こいつ」
に変わって、そして、いつか、
「うざいよ、こいつ、アタマにくる」
に変わる。
こういうスパイラルになっちゃってるんだな、と気付いた。
まとめると、
 
「中国政府・韓国政府が反日感情をあおる」
 ↓
「中国人・韓国人が怒る」
 ↓
「あーまた怒ってるよ、うぜーな、と日本人が反応する」
 
これじゃみんな、パブロフの犬だ。
ハッハッ言うな!
もっと賢くなれ!
国・政府に振り回されんな! と思った。
 
感想。二つ目。
すべての日中・日韓問題が、
戦争問題に通じている。そこを断つことが大切だ、ということ。
栗山氏曰く、
「こうなってしまった関係を修復するためには、
 まず日本が間違っていたということを認め、
 そして他国は、許してあげる」
それしか、和解の道は無い。
つまり、
日本が間違いを認め、「謝罪」を公式表明し、
それを受けて、中国・韓国は「許す」こと。
許すとは、
傷ついた感情を持ち出したり、
共通の歴史認識を求めたり、
戦後の補償問題を蒸し返したりしない、
ということ。
そこで、完結させること。
完結。終わり。
いったんおしまいにすることが大事。
だって日本にできるのは謝罪することしか出来ないのだから。
そこで終わりにしないと、終わりようが無いじゃないか。
 
靖国参拝問題は、風習の問題であり、戦争とは関係ない。
戦争で傷つけられた中国人の感情と結び付けない。
竹島も、本当に韓国固有の領土だったのかどうかという問題。
戦後の補償問題と結び付けない。
そういうことだ。
はっきり言えば、
中国・韓国が戦争責任という便利なカードを放棄する、
ということ、なのだ。
なのか。
あー、そうか。これじゃ無理だ。
 
さて、昨日、小泉首相が談話を発表した。
次のような内容だ。
「二度とわが国が戦争への道を歩んではならないとの決意を新たにする」
(中国、韓国の国名を挙げて)
「ともに手を携えてこの地域の平和を維持し、発展を目指すことが必要だ」
「わが国はかつて植民地支配と侵略によって、
とりわけアジア諸国の人々に多大の損害と苦痛を与えた」
「あらためて痛切な反省と心からのおわびの気持ちを表明する」
つまり、日本が間違っていたということを、正式に表明したわけだ。
村山首相以来らしい。
さて、中国・韓国は思慮ある応答をしてくれるだろうか?