私の子どもたち

私には、二人の子どもがいる。5歳で幼稚園年長さんの、長男じゅんと、4歳で幼稚園年少さんの長女みーちゃんである。二人とも父親に似て、男前なのだが、性格は全く違う。どんな二人であるのかを紹介するとともに、この二人のエピソードのうち、印象強く覚えていることを書いてみたい。
まず、長男じゅんについて。泣き虫で、とてもデリケートな感じやすい心を持っている反面、強がりで自分の主張を譲らない面も持つ。例えば、3〜4歳のころ、テレビのアンパンマンを見ていて、バイキンマンが出てくると、こわい、といってテレビを消すのだ。なにしてんねん、とテレビをつけると、こわいー、といって泣き出す始末であった。さすがに今ではバイキンマンではこわがらないが、今でもしばしば他のテレビ番組でこういったことが起きているような気がする。また、彼は夜、寝ているときに、見ている夢が怖いのか、泣き出すことがあるそうである。(そうであるというのは、私は熟睡しているから、泣いていることに気付かない。あとで、奥さんに聞かされて知るからである)いつか、奥さんが、昨晩、じゅんは夜、夢を見て泣いていたみたいだけど、どんな夢を見ていたか覚えてる? と訊くと、うん、覚えている、と答えた。そしてどんな夢か説明してくれたのだが、「あのね、ママと一緒に歩いてたの。それで気が付いたら、ママがいなくなってたの」と言い、泣き出したそうである。そうか、じゅん、怖かったんだな。そのうち、そんなことじゃ泣けなくなるからな。今のうちにたくさん泣いておけよ。
続いて、みーちゃん。怖がり、泣き虫はアニキ譲りだが、若干、じゅんの真似をしてるんじゃないか、計算づくで泣いているんじゃないか、と思わせるしたたかみーちゃんである。かつ、主張の強さはハンパじゃない。印象強いのが幼稚園でのエピソード。みーちゃんは少し偏食で、ヨーグルトが嫌いな食べ物のひとつなのだが、それが幼稚園の給食で出た。みーちゃんが食べずに自分の席に座ってうずくまっているのを見かけた先生が、みーちゃんに「どうしたの」と聞くと、みーちゃんは、「だって、スプーンが折れてるから食べられないんだもん」と答えた。「そう。じゃ、新しいスプーンを持ってきてあげるね」と、先生がスプーンを持ってきた。それを受け取ったみーちゃんは、両の手でスプーンの両端を持ち、おもむろに、バキッとふたつに折り曲げ、こう言ったそうである。「みーちゃんは、ヨーグルト、食べたくないんだ」・・・彼女の言動は、幼稚園の先生の間でも、ちょっとした話題らしく、みーちゃん語録というのがあるそうである。いや、実に面白い。
二人とも、最高である。二人を見ていて、子どもというのは、「良くなりたい」という思いが強いんだな、自分から間違った方向に成長したいと思う子どもはいないんだな、と確信するようになった。願わくは、二人とも、自分が何が好きで、何が嫌いか、はっきり言えるように成長してもらいたいと思う。常識や道徳観念に惑わされす、自分がどう感じ、どう思うか、自分に向き合えるひとになってもらいたい。