ちゃめさん

前置きが長くなった。これからが本題。私を、朋友と呼んでくれる友人がいる。ちゃめさんである。彼もブログをやっていて、これがめっぽう面白い。(海外のとびきり面白いニュースを紹介してくれるブログである。文量がかなりあって頻繁に更新されるので、読むのがおっつかないくらい。)ここでは、彼のブログの中から、ある投稿を取り上げたいと思う。
それは海外のニュースではなく、彼が「メモ」と題した「時々、哲学者」(9/3分)という一文である。そこで彼は、「物事は思った通りになる。思った通りにしかならない」という、どこかの自己啓発書にのっていそうなことについて、彼の経験をもとに見解を披露していた。この意見について、私は全く賛成なのだが、私も、経験上、どうしても二点補足しておきたいと思った。以下、それについて述べたい。
ひとつ。「自分がどこまで求めているのかを知ることが大切」ということ。満足するレベルに到達したにも関わらず、ずるずる続けていても、もう満足は得られないよ、あとはおまけでしかないよ、だから、さっさとやめちまったほうがいいよ、ということである。これの格好の例が、大相撲界にはうようよいる。(ちなみにずっと昔、オリンピックの女子水泳平泳ぎで、岩崎さん(当時14歳、「今までの人生で一番うれしかった」という言葉で話題になったあの子)が金メダルをとったとき、私の頭に最初に浮かんだのは、もう引退したら、であった。また、貴乃花横綱になったときも、もう引退したら、と思ってしまった。よく覚えてる。例が古すぎ?)
ふたつ。「一点集中は止めておいたほうがよい」ということ。これは、会社人間を例に取ればわかりやすい。ずっと仕事のことしか頭に無く、何十年も仕事オンリーで過ごしてきて、家庭を省みなかった。そして定年を向かえ、ハタと気付けば、これから何をしようか、分からない。妻は完全に他人でしかない。こんな悲劇はかわいそうすぎる。(彼らは、今の会社優先社会の被害者である)(ちなみに先日、新聞の広告欄に『妻への詫び状』という本の紹介があり、それは先に述べたような定年を向かえたサラリーマンが、これまで仕事ばかりでごめんね、という手紙を奥さんに出した文面の紹介らしいのだが、この本がまたよく売れているらしく、さびしいなという気持ちでいっぱいになってしまった。)
どうすればよかったか。言うまでもない。仕事だけじゃなく、他にいろいろやっておけばよかったのだ。本当に大切な人たちと一緒に。一点集中は人を近視眼的にし、結果、不幸となりやすい。何かに没頭して、それについて思ったとおりになったとしても、それ以外をなおざりにしてちゃ本末転倒だ。きょろきょろ廻りを見て、ゆっくり歩いていこう。自分にとって何が本当に大切なのかを、よく考えながら。世の中にはすばらしいことがいろいろたくさんあるのだから。